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保険2026-08-155

対人・対物はなぜ「無制限」が基本なのか|賠償額の実例から考える

自動車保険の対人・対物賠償は「無制限」が一般的です。なぜ上限を付けないほうがよいのか、実際の高額賠償判例と、無制限にしても保険料の差が小さい理由を解説します。

「無制限」という言葉に驚くかもしれません

自動車保険の対人・対物賠償の金額を選ぶ画面で、 「無制限」という選択肢を見て戸惑う方は少なくありません。

「そんな高額な事故、実際に起きるの?」というのが率直な疑問だと思います。 結論から言うと、起きています。しかも珍しくありません。

実際に認められた高額賠償

裁判で認められた損害賠償額には、次のようなものがあります。

判決賠償額
横浜地裁(平成23年)約5億2,800万円
東京地裁(平成20年)約2億1,300万円
バイク事故・後遺障害の事例約1億500万円

被害者が若く、重い後遺障害が残った場合、 将来にわたる介護費用や逸失利益(本来得られたはずの収入)が積み上がり、 賠償額は非常に大きくなります。

自賠責保険だけでは足りません

自賠責保険(強制保険)にも上限があります。

損害の種類自賠責の上限
死亡3,000万円
後遺障害(最重度)4,000万円
傷害120万円

先ほどの5億円を超える判例と比べると、 自賠責だけでは大きく不足することが分かります。

不足分は、任意保険の対人賠償に入っていなければすべて自己負担です。

対物も無制限が一般的です

対物事故でも高額化するケースがあります。

  • 積み荷のあるトラックに追突し、荷物ごと損害賠償
  • 店舗や住宅に突っ込んで建物を損壊
  • 電車の運行を止めてしまい、遅延損害を請求される

物損は「相手の車の修理代」だけとは限りません。 建物・設備・営業損害まで含むと、金額は想定を超えることがあります。

「無制限」でも保険料の差は大きくありません

ここが実務上、重要なポイントです。

対人・対物の保険金額を「無制限」にしても、 「3,000万円」や「1億円」に制限した場合と比べて、 保険料の差はそれほど大きくありません。

理由は、そもそも数千万円〜億単位の事故が発生する確率自体が低いためです。 保険会社にとって、上限を外すことによる負担増は限定的です。

つまり、 わずかな保険料差のために、上限を設定するメリットが薄い というのが一般的な考え方です。

それでも金額を選べる補償はあります

対人・対物とは違い、次の補償は金額設定で保険料に差が出やすい部分です。

  • 人身傷害保険の保険金額
  • 車両保険の金額・免責金額

こちらは家計とのバランスで選ぶ余地があります。

まとめ

  • 対人・対物は、高額賠償の実例が存在するため無制限が一般的
  • 自賠責の上限だけでは、重大事故の賠償額をカバーできない
  • 無制限にしても保険料への影響は限定的
  • 保険料を抑えたいなら、対人・対物より車両保険や免責金額で調整する方が現実的

補償全体の整理は対人・対物・人身傷害・搭乗者傷害の違いをご覧ください。

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